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お知らせ/新着情報/BLOG

首里城再建の動きは急で、すでに、目標額を超える寄附が集まっているという。大変、結構なことでありますが、ちょっと待って!
せっかく寄せていただいた皆様の浄財です。
焼失した首里城と、寸分違わない意匠を再現することは可能であり、そこに異議があろうはずもありませんが、聞くところでは、建物を支える主柱・梁材には、焼失前と同じヒノキ柱を採用するという。しかも、沖縄県では、入手が困難であるため台湾まで、買いにゆくとか。
そこは、違うでしょう。
再び、火災に会ったらどうしますか。
焼失した首里城の建築が始まったのは30年以上も前でした。木造建築技術は、当時と現在では雲泥の差があります。現在の大型木質構造は、ブレカット加工による集成材を採用することが当たり前の世の中です。集成材による柱、梁は、火災にあっても、表面から5㎝ほどしか燃えません。なぜなら木材表面から5cmほど燃えたところで、炭化した部分が燃焼に必要な酸素の供給を絶ってしまうため火が消えてしまうという集成材の特性があるからです。この性質を利用して設計することを〝燃え代設計〟といいます。この設計方法であれば、一度の火災で、あれはど無残に崩れ落ちることはなかつたのにと、残念でなりません。
それなのに、この度の焼失による再建には、再び、集成材ではなく、檜の原木を採用するらしい。
私は、納得できません。皆様!いかがですか。
古式豊かな建造物だから、現代技術に背を向けるのですか。何度も火災焼失を繰り返して来た首里城を二度と焼失させない技術を採用することが、悲しみの涙を流しながらお寄せ頂いた皆様の再建のための浄財にお答えする最善の道筋であると考えます。
とてつもなく値上りしているという台湾のヒノキ丸太直径60㌢程度なら、無垢材にこだわらなくても、日本の集成材技術は、直径100センチ以上の丸太を難なく生産することができます。
蛇足ですが、集成材に加工するには、沖縄原産の、檜で十分です。また、ガラス透明塗料を塗布すれば、まったく火焔を寄せ付けない技術(5㌢炭化もしない)までも登場しています。
忠実な再建を目指すあまり、古文書にばかり目を奪われている様に思われます。
現在の木質構造技術は、“大空間40m柱なし(無柱空間)〟まで進化しています。無垢材丸太より強度が格段に違う証拠です。
目を向けましょう。日本の木質構造技術の進化に!
 
追記!
上記の文章では、集成材の建築物が、法隆寺なみの耐久性と同列で書いていると理解される方がいらっしゃいます。
集成材の耐久性は、今のところ100年を超える程度であろうというのが識者の意見ですので付け加えておきます。
 
この記事についての、ご質問は、(株)コア 八紘(043-277-3602)までお寄せください。

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